安全管理者/作業者向け
行動に基づく産業安全ソリューション

コンセプト

Behavior Based Safety

事故が起きていないから安全。本当にそう言えるでしょうか?

事故が起きていなくてもリスクは存在します。
無理な作業を続けることでリスクが高まっていることもあります。
労働災害をなくすために何ができるでしょうか?

 

まず、リスクアセスメントにより機械と作業を安全にすること。
その上で、最終的に安全を守るのは人です。
作業者が安全を守ろうとする力を発揮できる職場環境にすること。
それが大事だと考えます。

 

アトリエの行動に基づく産業安全支援サービスは、
作業環境が作業者に及ぼす影響と行動に着目し、
安全な行動を選択するように介入することで、
職場の安全をカイゼンします。

イベント&ニュース

【9/10~12】緑十字展2025に出展します

2025.06.17

【9/10~12】緑十字展2025に出展します

  今年も「緑十字展」に出展します。是非ともお立ち寄りください! 個別のお問合せにも対応いたしますので、お気軽にご相談く…

職場のリスクアセスメント 関連サービス紹介セミナー

2025.06.17

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  「職場のリスクアセスメントって、やってはいるけど、これでいいのか……?」 「外部のサービスって、どこまで対応してくれ…

職場の安全の可視化サービス

2025.06.15

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    労働災害を未然に防ぐ職場作り 事故が起きていないから安全。本当にそう言えるでしょうか? 事故が起きていなくてもリ…

ソリューション

行動に基づく産業安全は、機械や作業のリスクアセスメントから始めます。
本質的安全設計と付加方策により、安全に作業する環境を整えます。
その上で、作業者を中心に安全ウェルビーイングを測定、分析して、必要に応じて行動分析学に基づいた介入を行い、職場環境をよりよい状態に調整します。

ソリューション全体像

ソリューション全体像

■職場のリスクアセスメント導入支援サービス

安全のために必要だとわかっている「リスクアセスメント」。
忙しくて手が着かなかったり、何から始めてよいかわからなかったり、課題が多いのが実情です。
また、やってはみたものの、これでよいのかわからない、という声もお聞きします。
アトリエは、リスクアセスメントの活動を軌道に乗せるお手伝いをします。

 

・始めの「とっつき」としての危険性の洗い出しを手助けします。

・実際に少しやってみせて納得してもらいます。

・つまづく場面で全力バックアップします!

 

■リスクアセスメントの改善サービス

リスクアセスメントを進めてみたものの、結果をどのように活かしたらよいか、お悩みではありませんか?
また、リスク低減方策が本当に有効なものか、効果に疑問をお持ちではありませんか?

アトリエは、既存のリスクアセスメントをレビューして、第三者の視点で危険源の網羅性やリスク評価の結果、リスク低減方策の妥当性を評価します。
そして、職場の安全方針や目標と一貫性のある安全活動を支援します。

 

・既存のリスクアセスメント結果を第三者の視点で分析して説明し、現状の課題を示します。

・安全活動を見直す場合は現状を把握し、カイゼン計画を立案します。

・リスク低減方策を人を動かす視点で見直し、守られるようにするための継続的な活動(PDCA)を支援します。

 

 サービス詳細はこちら↓
 リスクアセスメント改善サービスのご案内

■職場の安全の可視化サービス

事故が起きていないから安全。本当にそう言えるでしょうか?
事故が起きていなくてもリスクは存在します。無理な作業を続けることでリスクが高まっていることもあります。
本サービスは、安全ウェルビーイングにより安全を可視化し、労働災害を未然に防ぐ職場作りを支援するサービスです。
安全管理者、安全事務局、労働安全衛生担当者が、安全活動を計画する際の「手がかり」を提供します。

 

 ・安全上の手当が必要な部署、グループ、作業者の推定

 ・改善が必要な工程、作業環境、作業の特定

 ・組織と個人のウェルビーイングの状況と必要な措置

 

組織と個人の両方の視点で分析を行い、静的な傾向や動的な変化を一目瞭然にします。

 

サービス詳細はこちら↓
 職場の安全の可視化サービスのご案内

■職場の安全・最適化サービス

若手のヒヤリハットが多い、ベテランの不安全行動がなくならなといったことはありませんか?
その症状には原因があります。
本サービスは「安全の可視化」により不安全の予兆を見つけた職場や作業について、定量的な測定分析を行い、
改善計画の立案と実施を支援するサービスです。

 

 ・作業手順やルールの変更

 ・安全で生産性の高いレイアウト作成

 ・機器改善の要件定義

 

関係部署への説明、現場作業者の巻き込み、改善活動の効果測定など、安全事務局の運営を支援します。

 

サービスの詳細はこちらへ↓
 職場の安全の最適化サービスのご案内

基盤技術

Behavior Based Safety

労働安全衛生対策は、発生した労働災害の原因を究明し、類似災害の再発防止策を確立することが多いです。
しかし、作業者の労働環境の変化、ハザードの多様化により、作業者が対応し切れず、ヒヤリハットが発生しています。

これを防ぐには、職場の潜在的なハザードを見つけ出し、事前に的確な方策を講ずるリスクアセスメント及びリスク低減措置の検討が必要となります。
実際のところ、労働安全衛生法第28条の2では、危険性または有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置(リスクアセスメント及びリスク低減)の実施が明記されています。

一般的にリスクアセスメント及びリスク低減措置は、次の流れで進めます。

 

 1)危険性または有害性の特定

 2)ハザードごとのリスクの見積もりと評価

 3)リスク低減のための優先度の設定、リスク低減措置内容の検討

 4)リスクの低減措置の実施

 

 

作業により危害が生じる仕組み

 

ここで、現場で使用する機械のリスクアセスメント及びリスク低減は、メーカーで実施されます。

問題は、個々の現場の作業環境を配慮していない(し切れない)ところ、人が原因となるリスクはヒューマンエラーとして扱われ、検討されないことが多いところにあります。

リスク低減措置が、使用上の情報や教育に偏ったり、注意喚起や精神論に依存しないことも重要です。

よって、機械を現場で利用する者、安全管理者が、作業環境の条件を考慮してアセスメントを実施し、リスク低減措置を検証する必要があります。

 

ここで、検証すべきことの観点は3つあります。

 

リスク低減方策の検証

 

 ①決めた通りに実施されているか?(適合性)

 ②目標達成に寄与しているか?(有効性)

 ③作業者にとって合理的な方法か?(妥当性)

 

①は比較的容易に測定できますが、②と③の測定には工夫(実験計画)が必要です。

また、検証の際には、不安全行動が安全行動に変わることを測定し、定量的エビデンスを残すことも有用です。

 

この定量評価で役立つのが「行動分析学」です。

行動分析学の視点で考えると、人の不安全行動の変容、または増強しているのは環境要因であって、この環境要因と行動の随伴性に着目して改善していくアプローチが必要なのです。

 

産業安全ウェルビーイングと行動分析学

 

(共同研究者 北條理恵子 先生の論文から許可を得て作成)

well-being

ウェルビーイングとは、世界保健機関(WHO)により「身体的・精神的・社会的に良い状態が続くこと」と定義されていますが、企業活動においては社員が「能力を発揮できる状態」と解釈できます。

さらに、これからの労働安全について考えると、労働災害のネガテイブなリスクを減らすことだけでなく、より幸福で、自己実現をかなえる作業現場を目指すことが必要です。

 

向殿政男 安全、健康、ウェルビーイング セーフティダイジェスト、第68巻、第11号 の内容から作成

 

私たちの研究では、この第一歩として、産業安全ウェルビーイングの定量評価手法を普及させる啓蒙活動を進めており、主観的ウェルビーイングと心理的ウェルビーイングに着目しています。
今後は、作業スタイルや作業者の背景を考慮し、より感受性の高い尺度を構築し、多様な職種に対しても検証していきます。
 


安全が必要な作業におけるウェルビーイングの解釈

 

 そして、ウェルビーイングを可視化した後、「行動分析学」を応用した手法により、「職場の最適化」を支援していきます。

まずはウェルビーイングを測ることから。

是非、一緒にウェルビーイングな職場を作りましょう。

 
緑十字展2023に合わせて、2023年9月から12月までの間、産業安全ウェルビーイングアンケートを行いました。
皆様のご協力により、様々な業種におけるウェルビーイングのレーダーチャートの形の様子がわかりました。
この結果を分析しまして、長岡技術科学大学の北條理恵子先生が SIAS 2024 で発表しました。
 

産業安全ウェルビーイングアンケート結果(n=92)

働く人のウェルビーイングの見える化と行動分析学的手法による職場の改善

2023年9月29日の第82回全国産業安全衛生大会において、北條理恵子先生のご講演がありました。
北條先生から許可を頂き、講演の概要を紹介いたします(無断転載禁止です)。


 2023年9月29日(金)の第82回全国産業安全衛生大会において、長岡技術科学大学の北條理恵子准教授による「働く人のウェルビーイングの見える化と行動分析学的手法による職場の改善」の講演がありました。アンケートやバイタル測定により「職場のウェルビーイングを見える化」し、その結果をもとに行動分析学的介入を行って「職場の最適化」を進めるものです。

 まず、ウェルビーイングについて説明がありました。ウェルビーイングには、瞬間的・感覚的な喜びとされる「主観的ウェルビーイング」と、努力の後の達成感や生きがいとされる「心理的ウェルビーイング」の2つがあります。職場に当てはめてみると、主観的ウェルビーイングが高い職場は安心感があり、心理的ウェルビーイングが高い職場はやりがいを感じられると考えることができます。本研究の結果から、職種や業種、職位により個人が感じる主観的ウェルビーイング・心理的ウェルビーイングの程度に違いがあることが分かったそうです。今までの研究は、専ら比較的長い時間(例えば人生)のウェルビーイングを調べるものでしたが、北條准教授の研究は、職場におけるウェルビーイングを初めて詳細に調べたものと言えます。

 次に、行動分析学的介入による職場の最適化についての説明がなされました。行動分析学とは、行動を定量的に計測し、行動の予測と制御を行う心理学の一学派です。ヒヤリハット報告を例に行動分析学について説明すると、本来のヒヤリハット報告は職場や作業の危険性を認識して安全にするためのものですが、ヒヤリハット報告すると責められる状況も少なくありません。このような場合、まず、報告をしたという行動とヒヤリハットの内容は分けて考えます。そして報告をしたという行動には賞賛などの報酬を、ヒヤリハットの内容については個人的な責任を除外して環境の改善を行います。そうすることで報告行動の強化にあたり、よりヒヤリハット報告が増えるようになると考えます。このように、「適切行動」には賞賛を与えるシステムは、産業現場にはあまり見られないものです。働きがいややりがいを評価し、高めるような組織のシステムが今後必要になってくるだろう、と北條准教授は考えています。

 行動分析学の安全についての研究領域は、産業安全行動分析学(Behavior -Based Safety)と呼ばれており、北條准教授らは、このBBSを産業界に普及するべく邁進しておられます。

共同研究者の紹介

北條理恵子

看護師,助産師免許を取得後,自治医科大学附属病院産科病棟に3年間,民間の産科病院に2年間勤務.その後,駒澤大学文学部心理学コースに入学.同大学大学院にて1996年修士(心理学)取得.博士後期課程在学中の1999-2004年まで米国ロチェスター大学でVisiting scientistとして行動毒性学を学ぶ.帰国後に東京大学にて博士(獣医)を取得.2004年国立環境研究所にポスドクとして勤務後,産業技術総合研究所,労働安全衛生総合研究所機械システム安全研究グループ上席研究員を経て,2022年1月より長岡技術科学大学システム安全工学専攻に准教授として勤務.産業安全行動分析学研究室にて,働く人の目線からの安全制御システムの有効性評価,適切な作業行動のための行動分析学的介入,働く人のウェルビーイング評価に関わる研究に従事.除雪,建設・土木,製造業における機械のふるまいを含むすべての作業行動を分析し,定量評価に基づく最適化の構築を目指す.日本行動分析学会会員,日本信頼性学会会員,日本安全工学会会員,計測自動制御学会会員,日本機械学会産業・化学機械と安全部門副部門長.